スペイン内戦とダークファンタジー

 

戦争モノ映画が大好きで、「ブラックホーク・ダウン」や「フルメタル・ジャケット」はテンションマックスで観てましたよ。でも、基本的なスタンスとしては血や脳みそとかのグロ系はNGだったりします。あと、ホラー系はもう完全にアウト。「ファイト・クラブ」がすごくよかったからデヴィッド・フィンチャーの前作「セブン」も観てみたいんだけど、どうもグロ系らしくて敬遠中。敬遠中っていうか生涯打席は回ってこないと思うけどね。そんな事前情報を思い出しながら、ダークファンタジー「パンズ・ラビリンス」。スペイン内戦を生きた少女とその少女のまわりで起こるグロテスクなファンタジーの話です。戦争描写とファンタジー描写が交互に描かれているんだけど、戦争モノ大好きなくせにこの映画はちょっとダメっした。なんでだろ。人が撃たれたりするシーンがすごくリアルだから?戦争モノってリアルじゃなかったかなー?とか思いつつ。あと、第二の試練が完全にホラーで笑った(実際は、一切笑ってません)第二の試練の会場にいるペイルマンという怪物くんがもうグロすぎて怖すぎてまじホラー。なんなんあいつ。夢に出てきそうだわ…。あと、第一の試練もグロいというか汚すぎてワロタ(実際は、一切笑ってません)虫とあとカエルの胃袋の塊な。胃袋に虫がへばりついてたのはさすがに引いた…きしょい…

ッて感じで、まったく好きじゃないですこの映画。物語としては好きなんだけどね。ディテールが肌に合わないというか。スペイン内戦という激動の時代で(一応、内戦自体は終わってるらしいが)、躊躇なく人を銃殺する悪魔のような大尉を父に持ったオフェリア、しかもこの悪魔パパにとってオフェリアは実の子じゃないという素敵なオプション付き。オフェリアが必死になって成し遂げようとした試練は、きっとオフェリア自身が現実逃避のために作り上げた妄想なんだろうな。そうするしかオフェリアが生き残る術はなかったのかもしれない。死ぬことによってようやく天国という彼女の王国に行けたわけで。あの現実(黒と灰色)と幻想(金色)の対比はやばかったなー。あの対比を描きたいがゆえにこの映画を撮ったんじゃないかってぐらい綺麗で残酷でした。映画終了後、DVDのメインメニューを開いてそのBGMを聴きながら鑑賞した映画のレビューとかこの感想とか書いてるんだけど、メルセデスの子守唄と一緒に銃声や爆音が聴こえていて、どこまでも、徹底して、悲しくて残酷な戦争映画だなあ、と思いましたとさ。

ってことで無事に週5本の映画を観終わったぜー。

返却日は今日だけど、明日のお昼までならオールオッケー!

次は何を借りてこようかね。