河井寛次郎の言葉がとっても素敵

 

旅は帰る処が目的地

 

 

飛ぶ鳥とめる 絵にしてとめる
あの音とめる 譜にしてとめる
思い(いのち)をとめる 形にしてとめる

 

 

売るという事が始まってからの物の乱れ、
わかりもしない人の好みを相手に作る事からの物の乱れ、
先ず自分の為に作らねばならない、自分を喜ばす物から作らねばならない、
それからだ、
それからだ

 

 

 

私は木の中にいる石の中にいる、鉄の中や真鍮の中にもいる、人の中にもいる。
一度も見た事のない私が沢山いる。
始終こんな私は出してくれとせがむ。
私はそれを掘り出したい。出してやりたい。
私は今自分で作ろうが人が作ろうがそんな事はどうでもよい。
新しかろうが古かろうが西で出来たものでも東で出来たものでも、
そんな事はどうでもよい、
すきなものの中には必ず私はいる。
私は習慣から身をねじる、未だ見ぬ私が見たいから。

私は私を形でしゃべる、土でしゃべる、火でしゃべる、石や鉄などでもしゃべる。
形はじっとしている唄、飛んでいながらじっとしている鳥、
そういう私をしゃべりたい。
こんなおしゃべりがあなたに通ずるならば、
それはそのままあなたのものだ。
その時私はあなたに私の席をゆずる。
あなたの中の私、私の中のあなた。

私はどんなものの中にもいる。
立ち止まってその声をきく。
こんなものの中にもいたのか
あんなものの中にもいたのか

あなたは私のしたい事をしてくれた、
あなたはあなたでありながら、それでそのまま私であった あなたのこさえたものを、
私がしたと言ったならあなたは怒るかも知れぬ。
でも私のしたい事をあなたではたされたのだから仕方がない。

あなたは一体誰ですか
そういう私も誰でしょう
道ですれちがったあなたと私

あれはあれで、あれ
これはこれで、これ
言葉なんかしぼりかす

あれは何ですか、あれはあれです、あなたのあれです。
あれはこうだと言ったなら それは私のものであなたのものではなくなる。

過去が咲いている今

未来の蕾で一杯な今

 

河井寛次郎の言葉。

日本の陶芸家。陶芸だけでも素敵なのに、言葉も素敵だなんて。

すごく優しくて真摯で、それでいてどこか漂う子どもっぽさがカワイイ。

きっとたぶん僕は河井寛次郎が語る言葉のすべてを理解しちゃいないのだろうけど、それでも、彼が残した言葉に対してじわーと心が反応した、その感覚だけは信じたい。こんな素敵な言葉が自分の中からちゃんと出てくるようになろう。

 

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河井寛次郎白樺文学館公式ホームページ>177.「祖父、河井寛次郎のこと」 第74回面白白樺倶楽部開催報告

http://www.mingeikan.or.jp/collection/imgs/ph/a2_01.jpg

河井寛次郎作品 - 所蔵品|日本民藝館

 

 

どうしてこんなに 
ものが美しいのだ 
人間万歳

 

 

この世 このまま大調和