「あなたらしいね」という等身大の幸せ

最近、素敵な方々とお会いする機会があって、どうにも気持ちが浮ついてます。同時に、ちょっとだけ気持ちが揺らいでいる。最近の2,3ヶ月ほどは、なるべく引き篭って、本を読み、自分という人物像を掘り起こしていて、あれやこれやと人生において達成したい夢(野望とも)の輪郭をよりはっきりとさせました。その結果、その輪郭線上には誰かと一緒に幸せになるという夢はありませんでした。でも、素敵な方々と楽しくお話をさせてもらって、人間という生き物は、大切な人たちと笑い合うことが1番の幸せなんじゃないか、と思ってしまったし、なによりもそれを実感してしまった。僕は自分の人生を懸けて、一冊の小説を書きたい。そして、僕の作品で誰かを救うことができたり、僕が人生でハマった小説や映画やアニメのように誰かの心に重い一撃を与えたいと、夢見ている。正直、その小説が大ヒットしてみんなから「これはすごい!」って言われたい。でも、誰かの心を突き動かすほどの芸術作品というモノは、それ以外の幸せはすべてかなぐり捨てるほど全力でやって、ようやく誰かの心に届くか届かないか?という境地なんだろう、とも思う。少なくとも、僕は。それほどに途方もない距離感なんだろう。正直、どっちも手に入れたいけど、僕はそこまで優秀じゃない。

優秀じゃない。
優秀じゃないけど、だけど、それでも。それでも、自分の快感原則と社会という大きな波に対して、常に丁寧に接してさえいれば、きっとそこまで悪い人生にはならないんじゃないかな(っていうか、ならないでほしい)。そして、素敵な方々と出会えたことで、飲み会の帰り道、ふと思い浮かんだイメージがある。自分が書いた文章や、作ったモノ、そういうモノを友人が見て、「あなたらしいね」と笑いながら言ってくれたら、これほど幸せなことはないんじゃないか。世間の人々が絶賛する、後世にまで残るような作品を作りたいという想いはあるけど、それはちょっと傲慢だし、自分という人間を突き詰めた結果うまれた等身大の作品が、信頼する誰かに「あなたらしい」と認められるだけでもきっと幸せかも、と感じました。