美しい言葉って?

20世紀という「ミネルバのフクロウ」はすでに飛び立ち、人間の知性は20世紀を語ることができますが、黎明期を迎えたばかりの21世紀という「ミネルバのフクロウ」はまだ深い眠りについています。

ミネルヴァの梟ってなに?」と思って調べたら安定の知恵袋さん。だがしかし、意外や意外、なんとも小気味よい言葉があったので朝からテンションが上がった。21世紀という時代を語る言葉は数あれど、結局「21世紀とは何か?」ということを、同時代から語るのは難しい。時代の深淵さと学問のおもしろさと、梟と時代の学問とを上手く比喩で表現したのはあっぱれ。

 

こういうところにも素敵な言葉の掘り出し物があるのですね。けっこう前にもAmazonの「華氏451度」のレビューにて「おお!熱い…っ!」と思える言葉を見つけて、今でも気に入ってる。タンブラーちゃんに投稿したやつ。

未来観、技術うんぬんへの批判はあるだろうが、いつだってSFを読む楽しさは、フェイクの中に真実の欠片を見出すことにある、と私は思っている。

 

美しい言葉、素敵な言葉とは一体なんでしょうか。それは確実にこの世界に存在しているわけで、しかしほとんど語られていない(=わかってないor体系化されていない)。個々人の感覚次第だからなのかな。美とは何か?というよりは、好き嫌いとは何か?に近いのかもしれない。

 

華氏451度」のレビューで言えば、SF小説に対してのある程度の思い入れがないとたぶんきっと心に響かない。あるいは、虚構の中にある真実が好きな人(=アートとかアニメとかのそういう側面が好きな人)は、この言葉に感化されてSF小説のおもしろさに気づくかもしれないけど。アートでもそうであるように、言葉にも万人が共感する言葉があるだろうか。この場合、言葉の意味に感動する場合と言葉の響きに感動する場合があるけど、それは20世紀以降の現代アートの場合であり、ミニマルやジャクソン・ポロックのようなアートの場合であるのかもしれない、とふと気付く。結局、アートも言葉も同じなのだなあ、というありがちな結論に至る。だけど同時に、初心忘れるべからずや、とも。(ちなみに、僕にとってミニマルアートという響きはどうにもしっくり来ないのだけど)

 

最後に、少し前に出会って意味を完全に理解したわけではないけど、それでもその言葉の"響き"がなんとも心地よく、無限の広がりと可能性を感じさせてくれる大好きな言葉を。

言葉がすばらしいとき、
その響きは意味をこえて心を動かす。
byダミアン・ハースト