おやすみプンプン
『おやすみプンプン』という漫画がある。
こういう感じの漫画で。
こういう感じのとかで。
主人公がひよこ(?)みたいだったり、突然発狂し始めるようなキャラクターがいたと思えば、「ピロピロ」とか言っちゃうキャラクターとかもいて、「シュールな漫画」と呼ぶにふさわしい。そして、僕はそのシュールさに惚れたんだと思う。「……人生、山あり谷ありモハメド・アリだぜ!!」とか、あるいは「うん、ノリでチーズフォンデュしてみたけど、ぜんっぜん食べた気がしないねー」「でも、そんなもの足りなさを、僕はあえて愛したいと思う!!」とかね。道端で声をかけられたら絶対に返事をしちゃいけないタイプの漫画だけど、主人公プンプンの家庭環境はわりと複雑で、友人との人間関係とか恋愛関係とかも悩める思春期よろしく、とばかりにドロッドロとしていて、そのギャップみたいなモノがこれまた好きで。怖いもの見たさというか、主人公の家族はひよこ(?)みたいで、おっさん顔の神様やうんこ神もいて、そんな感じでめちゃくちゃメルヘンだけど、どこかリアルで奇妙な雰囲気があって、それにものすごく惹かれていたのかも。あるいは、主人公のプンプンが社会不適合者っぽくて、自意識過剰で、物事が上手くいかないと「自分なんて…」とか「もう人を好きになるのはやめよう」とか、すぐにマイナス思考になって、その不幸な自分に酔ってる感に自分を重ねていた(時期もあるような)気がする。
一冊一冊の間隔が長すぎて、読むたびに感情移入なんて吹っ飛んじゃってるから、10巻以降あたりは評価しづらいんだけど、プンプンと南条さんとの関係性は好きだったし(たぶん何も努力していないプンプンが南条さんに愛されていることが自分の救いになっていたんじゃないか)、愛子ちゃんと再会してからの怒涛の堕ちっぷりは「さすが、愛子ちゃん!」と思った記憶があるし、13巻の展開はむちゃくちゃベタベタだけど、ちょっとグッと来ちゃったし。もし機会と時間があれば、もういちど1から13巻まで、ゆっくりと読み直したいなー、とわりと本気で。
最後に好きな台詞をば。
じゃあ君は自分に自信がないの?
無いなら作れ!!
もしくはコンビニで買ってこい!! by南条幸
正直、『おやすみプンプン』は気持ち悪い漫画だった。
でも、そんな気持ち悪さを、僕はあえて愛したいと思う!!!