言い訳

睡眠不足による疲労が溜まったのか、季節の変わり目にやられたのか。眼と足にシビれるような痛さを感じ始めて、最近調子悪いなあーとか思ってたら体調を崩しちゃってました。ってことで、体調不良を言い訳にして、「週1で美術館に行く」という目標は、今週に関しては、断念いたします。電車で移動するだけで疲れるんで、美術館で数時間立ちっぱなしで鑑賞してたら、たぶん悪化する。

 

映画は観てるんで、感想をば。

 キューブリック監督の「博士の異常な愛情」。キューブリック監督が米ソによる冷戦構造を痛烈なユーモアで映画化した作品。あるいは、人間の危うさというものを。映画に登場する「R作戦」というものが実際に存在するのかわからないけど、そういった制御不能に陥るようなモノを扱うのは人間である、という怖さ。それはシステムもそうだし核爆弾もそう。その怖さをキューブリック独特の狂気すら感じる人間たちで表現している。僕が映画に求めているモノはそれほどなかったように思うけど、それでも映画としてのおもしろさはある。

ゾディアック 特別版 [DVD]

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ゾディアックと名乗る連続殺人鬼によるミステリー映画「ゾディアック」。実話で、いまだに事件は未解決。だからこそ、この映画のラストに納得できないというか、おいおいそこまで引っ張っといてそりゃないでしょう、と思わざるをえない。デヴィッド・フィンチャーの「ファイト・クラブ」のように奇妙だけどメッセージ性があり、映像表現として実映像にはないぶっ飛んだ描写を期待していた(それがデヴィッド・フィンチャー作風である、と期待していた)のだけど、期待した作風はほぼなかった。ゾディアックの手紙が現実世界の壁に表現として散りばめられる、ということはあったような気がするけど。テレビ番組「奇跡体験!アンビリバボー」的な犯罪ドキュメント映像を158分の映画として見せられた、という印象。1960年代であれば悲惨な連続殺人は稀だったかもしれないが、猟奇的な連続殺人というモノがひとつの消費として社会に存在する現代においてはそれほどのおもしろさは感じなかった。この映画は猟奇的殺人事件の恐ろしさというおもしろさよりも、そこで翻弄する警察や新聞記者、独自で取材をする漫画家の人間模様だったのかな。パズル好きが功を奏した(のかな?)漫画家の好奇心を軸にして、漫画家が新聞記者の方と打ち解けていく過程、警察の所轄同士や新聞記者との醜い争い、漫画家の熱意に根負けして徐々に歩み寄り始めくれた警察官たち。そういった人間模様の変化がおもしろく、だからこそラストの展開に納得もできなかったのだけど。