シンドラーのユダヤ人

6月頃から週5本のペースで映画観てるけど、シンドラーのリストで初めて泣いた。ユダヤ人虐殺というその悲劇に涙を流したのではなく、シンドラーがふと気付いた後悔に人間としてのかっこ良さを感じてちょっと泣いた。4時間という長丁場映画で、目が疲れて頭ちょっと痛いという肉体的な疲れはあるけど、精神的な疲れは一切ない。今朝観た「ミスター・ロンリー」は映像として素敵だなあと思えるシーンがいくつかあったけど、「シンドラーのリスト」はそうじゃない。ひたすら虐殺の悲惨さを映画を通して伝えている。この悲惨な事実に装飾なんて必要ない、と宣言するかのように。

助かったユダヤ人とその子孫も含めて、シンドラーは6000人を救ったという数字を上げる一方で、虐殺によって600万人が亡くなっているという数字を挙げたり、ソ連兵がその国の名においてユダヤ人を解放したけど、「ユダヤ人にとって西にも東にも居場所はない」と言わんばかりの彼の発言も、現実問題に即した後味の悪さを残したね。この後味の悪さはじっくりと人類が噛みしめるための薬だけど。良薬は苦いんだよ、きっと。ユダヤ人が耐え忍んだ数年間のことを思えば、4時間の映画なんてあっという間。

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 てか、この映画の表紙。

赤い服の女の子なんだね。